創業応援
創業者ストーリー
東武動物公園駅の東口にある「駅前一番街」を抜けて右の路地へ進むと、レトロなパチンコ屋さんの看板が見えてきます。看板の下には一面ガラス張りで、アウトドアな雰囲気のお洒落な空間が。北海道から東京へ上京して11年。2019年10月にクライミングジムをオープンさせた奥谷和也さん、弥生さんご夫妻にお話を伺いました。
仕事の内容を教えてください
和也さん
オックロックではクライミングコースの設計をしてます。年に2回イベント施設としても利用するので、そのイベントの企画も考えています。4年前からクライミング専用の内装業をしているので、メインは内装業です。一般の家を作るという訳ではないので、マニアックなんですよ。
弥生さん
主に受付やインストラクション、経理とキッズスクールをひとつ担当しています。
事業を始めたきっかけは
和也さん
自分のお店を持ちたかったので。
高校卒業後、山岳ガイドの補助スタッフをしたり、アウトドア用品を販売している会社で働いてましたが、この頃からクライミングジムを自分で経営したいと思ってました。経験を積むために東京に上京して、クライミングジムで店長として4年間働き、お店の立ち上げを2回経験したので段取り等色々なことを学びました。それから、クライミングの壁を作ってみたいと思い、会社に所属して現場見習いとして1年働き、4年後にオックロックをオープンさせました。
弥生さん
お店を持ちたいとずっと聞いていたので、息子が幼稚園に入る年に今しかないと思い動き始めました。初めは人口が多いところで空き物件を探していましたが、予算の兼ね合いもあったので…
私は杉戸町出身でこの駅前の空き物件を知っていたので、宮代町商工会に問い合わせました。
創業して大変なことはありましたか
和也さん
いつもの仕事は納期がありますが、オックロックを作る時は余裕を持って作りました。
でもオープンする前に、建物がいまの建築基準法に沿った作りではなかったことがわかり、その是正を行いますと連絡がきた時は大変でした。
弥生さん
オープン前の作業は主人が行ったので、私は子育てをしていました。
オープン直前で建物が既存不適格であると知らされた時は、精神的にも大変でした。直しては申請しての繰り返しで、5月オープン予定がその年の10月になりました。
パチンコ屋の看板
パチンコ屋さんの看板は残したのですね。
和也さん
あえてです(笑)これを回収してもらうのにかなりお金がかかってしまうので。
弥生さん
私はこのままでいいと思ってます。昭和感があって好き。お客さんと打ち解けると『パチンコの看板って〜』って質問されます(笑)
クライミングを始めたのはいつからですか
和也さん
高校生の時に顧問の先生に誘われて、山岳部に所属していました。通っていた高校の体育館にリードクライミングがあり、登ったりしているうちに楽しくなりました。
弥生さん
やってみたかったんです!たまたま、知り合いの人がクライミングジムに通っていて連れて行ってもらったのがきっかけです。近くにクライミングジムがなく、川口まで週に1回通ってました。クライミングは没頭できてとにかく仲間と話すのが楽しいです!
オープン半年後に
新型コロナウイルスでの事業への影響はありましたか
和也さん
仕事が全てストップしました。クライミング内装の仕事もオックロックでの事業も。
2ヶ月間休業状態だったので、家でできるクライミングのトレーニング器具を作ってすぐに販売しました。それが思いのほか大盛況で、1ヶ月くらい製造、販売を行なっていました。2ヶ月後は人数の制限などの規制をして、6月に再開しました。
弥生さん
オープンして半年で、休業になって補償金がでると言われても待てる状況ではなかったです。
1回目の休業はトレーニング器具を作って、2回目の休業では、ただ休んでいるだけじゃなくお客さんに喜んでもらえるように2階の改装をしました。遠方のお客さんが多いので、都道府県間の移動自粛要請のときは遠くから来る方が減ってしまったのと、お客さん同士のコミュケーションの取り方が難しかったですね。
事業への思い、目指していること
和也さん
クライミングを続けながらクライミングで食っていく。
スクールもそうですけど、人を育てていきたいなぁと思っています。人と関わるのが好きでここをオープンしたという思いもあるので。
弥生さん
自分たちのクライミングする時間をとることを目指します!それに向けて仕事も頑張る!前みたいにキャンプに行って岩を登りたいです。
夫婦経営で大切にしていることはありますか
和也さん
身体や精神面に気づいてあげたり、気づいてくれること。僕が出張中は妻に店番してもらっているので、お互いに『大丈夫?』など声をかけてあげることですね。
弥生さん
主人は、本当に休みがないので帰ってきて倒れてます(笑)長時間仕事しているときもあるので、本当に大丈夫?って感じなんですよ。年齢も年齢なので働き方改革をしていかないといけないです(笑)
これから創業したい人へのメッセージをお願いします。
和也さん
失敗してもいつかは成功すると信じること。20%の成功は成功とは言わないので、失敗を重ねて100%になるまで頑張ることが大切だと思います。
つまずきそうな時は、一度リセットして落ち着くことです。
弥生さん
好きじゃないとできないので、好きなことにどれだけ一生懸命になれるかだと思います。
※この記事は2023年5月に取材したものです。
奥谷 和也/奥谷 弥生(おくや かずや・やよい)
奥谷 和也(おくや かずや)
1986年生まれ
干支:寅年
血液型:O型
趣味:クライミング
ボルダリング専用施設の内装業・オックロック 経営
イベントの企画、ボルダリング施設内装工事
奥谷 弥生(おくや やよい)
1984年生まれ
干支:子年
血液型:A型
趣味:登ること。
オックロック 受付・指導・経理