創業応援
創業者ストーリー
〝月曜日″午前11時のスキップ広場。駅前通り側に建てられたテントに人が集まりはじめました。野菜やお弁当が並べられ、楽しそうに接客をしているのはケータリングやお弁当販売を手掛ける「あじまんま」の安島美次さん。いつか店舗を持って八百屋さんになりたいという夢を抱く安島さんにお話を伺いました。
野菜の食べ方も提案できる八百屋さんになりたい
なぜ八百屋さんになりたいのですか?
私は野菜もお肉も大好きなのですが、一緒に食べる野菜がおいしいとお肉もおいしく感じられると思っています。以前、テレビ局に勤めていた時に、時間が不規則な仕事な上、食べ物には無頓着だったので、真夜中にカップラーメンを食べたりしていました。そんな時に仕事の打ち上げでケータリングの食事が会議室に並べられた時に、いつも見慣れた場所がとても華やいで見えました。みんなが楽しそうに食事をしていたし、本当においしかったです。特に野菜を使った料理がカラフルでバリエーションがあったので野菜に興味を持ちました。
お料理ではなく野菜そのものに惹かれたわけですね
野菜に興味を持ってから、八百屋さんでじっくり野菜を見るようになったのですが、野菜が色も形もいろいろあってかわいいと思いました。そして食べたことがない野菜を手に取った時に「どうやって食べるのかを試食できたらいいのに」と思いました。そんな八百屋さんがあったらいいなと思い、それなら自分でやってみようと思いました。その後、八百屋さんに転職して修業をしました。仕入れや商品管理、お惣菜作りにも携わっていました。
このマルシェは八百屋さんへの第一歩ということでしょうか?
最初は東京で店舗を構えるのが夢だったのですが、地元の宮代町で小さな商いから始めるほうが自分には合っているように思えてきました。仕入れをする立場で改めて地元の野菜を食べてみると本当においしいものが多くて、たくさんの人に紹介したいと思いました。そこで地元の農家さんとのつながりをどうやって作っていったらいいかを役場に相談に行ってみたところ、新しい村に関わることを提案されました。ちょうどお惣菜部門のスタッフを募集していて、料理の修行にもなると思いスタッフになりました。
マルシェをはじめた経緯について教えてください
仕事を通じて知り合った蛭田農園さんと「一緒に何かやりたいね」という話をしていたら、スキップ広場がとても安く借りられるという情報を知りました。そこで、新しい村がお休みの月曜日に一緒にマルシェを始めることになりました。月曜日のマルシェなので「Monday Marche(マンデーマルシェ)」略して〝まんまる″と名付けました。蛭田さんが野菜、私がお弁当を作って販売しています。スキップ広場は駅前通りに面していますし、1区画1時間200円※で借りられるので、私のようにチャレンジ出店してみたいという人には有難い場所です。
お弁当がおいしいと人気だそうですね
いつか八百屋さんの店舗を持つという目標を立てて、今は自宅を改装した厨房でケータリング事業をしています。そして週に1回〝まんまる″で地元の旬の野菜を使ったお弁当を作って販売しています。お客様とコミュニケーションを取りながら直接感想を聞けるのでとても勉強になります。「この前のお弁当美味しかった!」と言っていただけた時にはとても嬉しいです。まだまだ始めたばかりですが、この道が私の目指す八百屋さんへつながっているように感じられるのでやりがいがあります。
販売用のワゴンは手作りですか?
資金があまりないのでいろいろなものを自分で作りました。ワゴンはリヤカーに乗るサイズに合わせてホームセンターで板を切ってもらって作りました。味噌汁カップや箸袋に押すスタンプも自分でデザインしました。八百屋さんに勤めていた時は、その時の入荷状況によって段ボールでディスプレイ用にいろいろなものを作っていたので「何でも自分で作る」という経験が活きているのだと思います。
キッチンは私のお城です
ご自宅の改装も自力でされたとか
厨房機器の設置は業者さんにやってもらいましたが床や壁は自分で貼りました。押し入れを棚に改造するのも自分でやりました。よく見ると釘が飛び出していて恥ずかしいです。都内で働いていた時も実家から通勤していて、一人暮らしをしたことがありません。いつか一人暮らしをするのが夢だったので、そんな想いが自分専用のキッチンを作る原動力になりました。亡くなった父は内装業を営んでいたので、「自分と同じようなことをやっているよ」と天国で喜んでいるような気がします。
大変だったことは何でしょうか?
保健所の食品営業許可を取ることでした。難しい申請書類を書いたり、和室だった部屋を厨房に改装したり、やはり限られた資金での改装だったので大変でした。水回りや換気扇にお金がかかったので、実は床の間には手が付けられずそのまま残っているんです。
食べることは生きること
お父様の介護をされたそうですが
父が亡くなる前の1年間くらいがいわゆる介護らしい介護だったかなと思います。母も体調を崩して入院していた時期があって、1ヶ月くらいでしたが、この間は私一人で父のご飯を作りました。ずっと家にいるだけになってしまった父は食べることだけが楽しみになっていたので、私なりに美味しいものを作ってあげようと一所懸命頑張りました。今振り返ってみると、父のためにご飯を作ることができて、少しは親孝行ができたのかなって思えます。そして父が熱心に食べている姿を見て、生きるということはこういうことなんだと教えられた気がします。
あじまんまが大切にしていることは?
野菜の力を最大限に活かして体に届けるために、それぞれの野菜の走り・旬を大切にして、素材の味をきちんと味わえるように化学調味料を極力使わないようにしています。そして毎日食べても飽きず、楽しんでもらえるような料理をお出ししたいと、想いを込めて作っています。
今後の夢や目標はなんですか?
私は宮代町出身ですが、若いころは地元に興味がなかったので、進学も就職も東京でした。昔は興味がなかった地元ですが、八百屋さんをやろうという視線で見てみると、畑や田んぼが身近にあって改めて食とのつながりを感じました。いろいろな経験から、働くということは楽しいだけではないことは分かっていますが、それでも笑って楽しいと思いながら働ける環境を自分で作っていきたいです。
これから宮代町で起業しようとしている人に伝えたいことはありますか?
何かをやりたいと思った時に、やりたいことを内に秘めず言葉にしていけば、同じ想い・考えの人や、協力してくれる人は沢山いると思います。私もまだまだ途中ですが、応援します!
※この記事は2019年7月に取材したものです。
安島美次(あじま みなみ)
野菜の、走り・旬・素材の味を大事にし、素材をちゃんと味わうために化学調味料などを極力抑えることを心がけてます。仕事をかけもちしながら1人で営業しているため、お受けできる日程に限りがございます。ご予算や内容に応じてお作りいたしますのでご相談ください。ご注文は10日前まで、人数変更・確定(キャンセル含む)は3日前までお受けします。
※ ケータリング¥15000〜※ お弁当5個〜 (配達の場合)
お問合せ(メール) ajimanma@gmail.com
あじまんま
野菜の、走り・旬・素材の味を大事にし、素材をちゃんと味わうために化学調味料などを極力抑えることを心がけてます。仕事をかけもちしながら1人で営業しているため、お受けできる日程に限りがございます。ご予算や内容に応じてお作りいたしますのでご相談ください。ご注文は10日前まで、人数変更・確定(キャンセル含む)は3日前までお受けします。
※ ケータリング¥15000〜※ お弁当5個〜 (配達の場合)
お問合せ(メール) ajimanma@gmail.com