坂巻　弘美

昭和49年創業。当時と変わらない店構えで地域の皆さんにお花を届けている、坂巻生花店の坂巻弘美さん。幼い頃から父と母の背中を見て育ち、先代から引き継いだ大切なことを守り、いまも努力を続けています。自らフラワーアレンジメント教室を開き事業の展開をしている坂巻さんにお話を伺いました。

主な仕事内容を教えてください

主に切花や鉢物を仕入れ水揚げをし店頭に並べています。また、ブライダルブーケから開店用のスタンド花まで幅広くご依頼を承っています。
月に2回、季節のイベントに合わせたフラワーアレンジ教室を行っております。12月にはクリスマスリースを作りました。

創業して50年

創業当時を覚えていますか

私が小学校5年生くらいの時にお花を学校に持って行った記憶があります。その前は鉄工所を営んでいました。昔はここから駅が見えていた程周りには何もなかったです。少しづつ家が建ち始め、周りは住宅地となりやむを得ず鉄工所は閉めることになりました。そこで父と母で始めたのがお花屋さんでした。

後を継ぐことに抵抗はなかったですか

学生の頃から父に「ここに残れ」と言われていました。抵抗はありましたけど、そういうものだと思ってお婿さんを迎え入れました。
20年くらい前に父が高齢になったので長年勤めていた旅行会社を辞め、坂巻生花店を継ぐことを決心しました。父は口数の少ない人でしたので、父の知り合いの先生に習って資格を取りました。

資格も取得されたのですね

自分で営むのに資格がないと不安で資格を取りました。自信がないと作れないですし、お店にも立てないと思ったので。少しずつですが、父のお客さんではなく自分のお客さんに来て頂けるようになりました。

創業時と変わった点はありますか

今の「お花屋さん」のイメージと違って、私が見ていたお花屋さんは家族を食べさせることができるお仕事。昔はお葬式を家で行っていたので個人宅からの注文が多かったのですが、葬式場ができてから減少していきました。時代とともにお花屋さんのイメージも変わってきたと思います。

ワークショップは新しい展開ですね

フラワーデザインの講師の資格を取り、すぐに自分で教室を開きました。
教室に来ていただいたお客様や知り合いに頼まれて、学校や病院、企業に訪問してフラワーアレンジやハーバリウムなどお客様の要望に合わせてワークショップを開催をしています。

宮代町でもご活躍されているそうですね

商工会のオープンカレッジのイベントで「クリスマスフラワーアレンジ」講座を進修館で行いました。
それから3月に「みやしろおひな祭り」が開催されるのですが、そこで桃の花のアレンジや花束を販売します。商工会には父と母の代から加入していますが、最近女性部の方にも加入しました。主催している方からのお誘いでイベントに参加することが増えました。

今後の目標は

人とふれあいながらお花にふれるのが好きなので、これからもアレンジ教室の生徒さんを増やしたり、ご依頼があれば企業さんや学校のお付き合いを増やしていけたらと思います。今はお店の外の看板に教室の日時を掲載しているので少しずつSNSなど活用して広めていきたいと思います。
さらに技術を磨くため、今もフラワーアレンジ教室の先生にレッスンを受けています。お客様に喜んで頂けるお花をご提供出来るよう、努力していきたいと思います。今よりも幅を広げて、色々な所にアレンジレッスンに行きたいです。

大切にしていることはありますか

時間をかけていることは、基本の水揚げです。父に「水揚げだけはきちんとしろ」と言われいまも守り続けています。水揚げをちゃんとしているお花は持ちが全然違います。お客様に「坂巻さんのお花は持ちがいいわね」って言われることが嬉しいので、これからも守っていきたいです。

体調がすぐれないときにお花は繊細で、生ける人の体調も伝わってしまうのか上手く表現できないこともあります。そのときはお花に触れないで、気分転換に散歩に行きます。

これから創業する人へメッセージ

人を好きになること。人とのふれあいを大切にすることで人の花輪ができる。