働く情報・お店一覧
宮代の匠
和戸駅の南西1kmほど。ひらけた田園風景の中に紺色の倉庫っぽい建物があらわれる。
入口からオフィスへ足を踏み入れると、目の前にはアメリカンテイストな空間が広がっていた。
ここはお店のショーウィンドウやイベントスペースなどの設計・デザイン・施工までをトータルに手がける山本企画工芸株式会社の工房。今回は、そんな個性あふれる仕事場で、様々な夢の舞台を造り出している山本匠さん・貴史さんご兄弟を訪ね、お話を伺いました。
自分たちの手で形にする仕事
お仕事の内容を教えて下さい
匠さん
東京ビッグサイト(東京国際展示場)や幕張メッセでの展示会やイベント等でのブースの設営がメインです。
あとは百貨店などに期間限定で出店するショップの施工をしたり、ショーウィンドウを装飾する仕事などもあります。
色々な場所で設営されているんですね
匠さん
家電量販店のディスプレイとか企業のショールーム、ヘアサロンや焼き鳥屋さんの内装も。有名なダンス&ボーカルグループの記者発表の会場等も手がけました。
この仕事の面白みは?
匠さん
自分の考えたものを、そのまま自分で形に作れるところかな。
お客さんの「こういうものを作りたい」という希望に「こうしたらいいんじゃないですか」と提案し、打ち合わせしながら作りあげていく作業は楽しいですね。
製作する時の苦労はありますか?
貴史さん
お客さんがデザインしたものを製作する場合は、図面に細かい構造まで記載されていないことが多いし、寸法を計算しながらどうしたらいいんだろうと悩む時もあります。でも完成した時は達成感もあるし、お客さんが喜んでくれると苦労した甲斐があり嬉しいですね。
廃材を使ったプロダクト
オリジナルの商品も作ってらっしゃるんですね
匠さん
“SOLVOID”というブランドを7年ほど前に立ち上げました。廃材を使って家具を作ったり、使わなくなった機械の刃で時計を作ったりしています。スライスした合板にスタンプを押してマグネットを作ったこともあります。
貴史さん
最近は友人のアパレルブランドとコラボしてキーホルダーを作りました。古い民家を解体したケヤキの柱を使いました。
二人の個性、根っこは同じ
お二人はお父様の後を継いだ2代目だと伺いましたが
匠さん
父の仕事を見て最初は自分がやり始めたんです。二人とも音楽活動をしながら手伝っているうちに、その流れで仕事をするようになりました。後を継いだと言ってもこの仕事は一つずつが違っているので、父がやってきた仕事とまるきり同じではなく自分達らしく時代の流れに合わせて変化していけるので面白いです。
室内がおしゃれですね。お二人で作っているんですか?
匠さん
そうですね。ビンテージの缶とか古い雑貨が好きで、それに合うような感じで世界観を作っています。
好みの世界観などは一致してるんですか?
匠さん
ぴったりじゃないですけど、方向性は一緒です。
貴史さん
自分より兄貴の方が明るめで。
匠さん
カルフォルニアとか西海岸あたりのちょっと古い感じが好きです。
貴史さん
自分の方はもうちょっと暗い感じ。インダストリアル(工業的)とかミリタリー。でも根本は似てると思います。
宮代町で創業したい人にアドバイスはありますか?
匠さん
まわりに田んぼもあってのびのびしているので、絵を描く人とかアトリエとか。そういう人に来てもらえるといいですね。
貴史さん
こういう広々とした環境だから作業をしたりスペースが要るようなものづくりには向いてると思いますね。
今後はどのように仕事をして行きたいですか?
匠さん
廃材を使った製品づくりは今後も続けていきたいですね。メインの仕事をやりながらバランス良くやっていきたいと思います。
貴史さん
自分も同じ気持ちです。
※この記事は2017年12月に取材したものです。
山本 匠/山本 貴史(やまもと たくみ/やまもと たかふみ)
山本 匠(やまもと たくみ)
昭和43年生まれ
さる年・かに座・A型
装飾業に就いて29年
自ら図面やパースを描き、クライアントに提案する業務を主に担当
製作も行っている
山本 貴史(やまもと たかふみ)
昭和46年生まれ
いのしし年・やぎ座・おそらくA型
装飾業に就いて20年
クライアントが描いた図面をもとに製作する仕事を担当
また、廃材を用いたオリジナル商品を製作している
山本企画工芸株式会社 工場長
山本企画工芸株式会社
展示会のブース、イベントの舞台から
お店の家具や什器まで 、幅広く製作
敷地内には、作業場、木工機械、大判プリンター等の設備があり
様々な依頼に対応しています
住所 〒345-0833 宮代町西粂原1401-7
電話番号 0480-35-1494