創業応援
創業者ストーリー
和戸駅から徒歩5分。和戸公民館の隣に店を構える本格中華料理の店「白木蓮」。店名は宮代町の町花「白木蓮」に由来し、「地域に根差したお店になりたい」という願いが込められています。
2022年、新型コロナウイルスの影響がまだ色濃く残る中でオープンしたこの店は、今では宮代町はもちろん、町外からも多くの人が訪れる人気店となりました。
「安く売るのではなく、価格に納得して食べていただきたい」そう語る井本祐樹さんに、創業までの道のりや仕事へのこだわり、これからの夢について伺いました。


創業までの道のりを教えてください。
実家が日本そば屋だったので、小さい頃から飲食店は身近な存在でした。学生時代に中華料理のチェーン店でアルバイトをした時も、「やっぱり飲食の仕事が好きだな」と自然に思えたんです。なので、調理師専門学校に進みました。調理師学校は資格を取るための場所。本当に料理人として成長するためには現場で実践を積むことが大切だと考え、ホテルで修業を重ねました。
その時の先輩が独立した時に手伝うことになり5年ほど働きました。ホテルでは学べなかった個人店ならではの経営も、そこで実践的に学ぶことができました。お客様とのふれあいや、仕入れや人件費のことなど、お店を続けていく難しさも楽しさも肌で感じることができました。あの経験はとても役立ちありがたかったなと思います。
自分もいつかは店を持ちたいという思いが強くなり、休みの日を利用して店を探していました。不動産会社との会話から「独立すると住宅ローンは組みにくくなるので、建てるなら正社員のうちの方が良いですよ」とアドバイスを受け、妻の実家がある宮代町にまずは住まいを構えることになりました。店舗は実家のある岩槻も候補でしたが、ご縁があり理想の物件に出会ったので、宮代町で創業することを決めました。


なぜコロナ禍でも創業を決断できたのですか?
もちろん不安はありました。
でも、独立はコロナ前からずっと夢で、物件も探し続けていました。コロナは流行が始まってからすでに2年ほど経っていましたので、この状況もいずれ終息するだろうと考えていましたし、本当においしいお店なら必ず選んでもらえるという思いもありました。
それに、1年間売り上げがなくても生活できるだけの準備をして臨みました。だから始める決断ができたのだと思います。
人気店になるまで、どんな道のりでしたか?
和戸駅から徒歩5分という立地ですが、この地域には本格的な中華料理店が少なかったこともあり、「本当に美味しい料理を提供できれば、きっと足を運んでいただける」という思いがありました。
とは言っても、開業当初は不安でした。町中華と比べると価格は少し高く感じられるかもしれません。それでも、「食べていただければ、この価格にきっと納得してもらえる」。そう信じて自分が目指す中華を貫きました。
少しずつ口コミで広がり、今では宮代町はもちろん、町外からも多くのお客様が足を運んでくださるようになりました。


本格中華へのこだわりを教えてください
目指したのは、気軽な町中華ではなく、本格中華のお店です。価格を安くすることよりも、丁寧な仕事をすることを大切にしています。
例えば蒸し鶏は丸鶏のまま蒸してから漬け込むことで、しっとりとした食感になり、部位ごとの美味しさも楽しんでいただけます。調味料や食材も、自分が納得できるものを選び、一皿一皿を丁寧に仕上げています。
「価格を下げる努力よりも、腕を磨く努力をしたい。」料理人として、その気持ちは開業当初から変わっていません。


ご家庭との両立はいかがですか?
飲食店は土日や連休が一番の掻き入れ時なので、毎週家族と休みを合わせることは難しくて、子どもたちには寂しい思いをさせているかもしれないと思う時もあります。
お店では妻が配膳や片付けを担当し、ディナー営業まで手伝ってくれています。家に帰れば家事や育児も担ってくれています。忙しさから、つい妻にきつい口調になってしまうこともありますが、安心して任せられるのは、やっぱり他人ではなく家族なんですよね。本当に感謝しています。
ランチ営業が終わると、食材の買い出しや夜の営業に向けた仕込み、ディナー営業を終える頃には一日が終わります。休日はできるだけ子どもたちと一緒に過ごすようにしていますが、毎日厨房に立ち、休みの日は子どもと遊ぶので、正直体力的にはきついと思う時もありますね。なので、今一番の願いは、「もう少し休みが欲しい」です(笑)。
でも、それだけ忙しくさせていただけることは、本当にありがたいことです。
地域との関わりで大切にしていることは何ですか?
創業当初は、お店を知っていただくために地域のイベントへも積極的に出店していましたが、今は少し考え方が変わりました。
宮代台の夏祭りや和戸のお祭りに出店するのも、今はお店を宣伝するためではありません。常連のお客様から「出店してくださいね」と声を掛けていただいた時は、日頃の感謝を込めてなるべく出店させていただこうという気持ちで出ています。もちろん費用対効果も考えますが、それ以上に地域の皆さんへの恩返しとして参加しています。




これからの夢を教えてください
一人で厨房に立ち続けるには限界があります。これからは、一緒に働く仲間を育てて、お店の味を受け継いでもらえるような体制をつくっていきたいと思っています。
将来的には、東武動物公園駅前などで、本格中華とは少し違うスタイルのお店にも挑戦してみたいですね。
例えば、焼売だけを専門にしたようなお店など、新しい形の中華にも挑戦してみたいと考えています。
宮代町で創業を考えている方へメッセージをお願いします
夢を叶えるためには、勢いだけで始めるのではなく、しっかり計画を立てることが大切だと思います。
私は、一年間売上がなくても生活できるだけの資金を準備して独立しました。その準備があったから、不安に負けて値下げをしたり、自分のやりたいことを曲げたりせずにできました。
創業には踏み出す勇気も必要ですが、しっかり準備をすれば、その夢はきっと成功すると思います。
※この記事は2026年6月に取材したものです。

井本 祐樹(いもと ゆうき)
1983年生まれ
亥年・双子座・A型
中国料理 白木蓮 オーナーシェフ

中国料理 白木蓮
和戸公民館の隣にある本格中華料理店。一流ホテルで経験を積んだ店主が、素材や調味料、調理法にこだわり、一皿一皿丁寧に仕上げる料理が評判。半月ごとに変わるランチや自家製点心、テイクアウトのお惣菜も人気。地域に愛され、町外からも多くのファンが訪れる。

